第六回 アンチエイジングと腸内細菌(2)


腸内環境≫


「腸活」「美腸」などの新しいことばに表現されているように、腸内環境が最近非常に注目されてきています。

全ての生き物にとって最も重要なのは、栄養を体内に取り込み生命を維持することです。ヒトが母親の胎内で受精卵から人間の形になっていく時に、最初に出来上がる器官は心臓でも脳でもなく消化管(胃腸)です。そして脳よりも先に作られる腸は「第二の脳」ともいわれるほど重要な器官であり、単なる消化器官としての働き以外にも実に様々な働きをしています。

小腸は食べ物の消化・吸収を担い、大腸は水分や電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなど)を吸収し便を作ったりします。小腸にはウィルスや有害菌から身を守る免疫機能の60~70%が備わっていますが、大腸はその仕組みがかなり複雑で、その働きについては最近徐々に解明されつつあります。それと同時に、腸の働きは私たちの身体だけでなく情緒や心の健康にも大きく関わっていることが分かってきました。

腸は腸内に達した物質を感知し、有害なものを体外に排出するよう指示します。その際に起こるのが腹痛や下痢です。このように腸は脳のように自己判断し、速やかに処理する能力を持つ自立した器官で、他にもアレルギーや肥満、脳の働きなどにも関与しているようです。というのも、腸内にある腸管免疫系が脳に多くの情報を発信していることが分かってきているからです。また、肝臓や腎臓の機能が衰えてくると腸管免疫系が働き機能の回復をうながしたり、腸は内臓の健康を保つためにも大切な働きをしています。

そのように腸は最重要な器官ですが、それもひとえに腸内細菌(そう)との連係プレーあってのことだと言えるでしょう。その為には、腸内細菌それぞれが充分働けるより良い腸内環境を保つことが望まれます。

理想的な腸内環境は弱酸性で、いわゆる善玉菌(乳酸菌類等)と悪玉菌(ウェルシュ菌等)とそのどちらでもない日和見(ひよりみ)菌が2:7の割合で棲んでいる場合が良いと言われています。生活習慣やストレスにより腸内細菌のバランスが崩れると、多勢の日和見菌が<悪玉菌>に味方するので腸内環境が乱れ様々な弊害をもたらします。

ちなみに、腸内細菌叢の分布図は生後の一年間で決まるという研究発表があります。幼児はいろいろな物を手に取り口に入れますが、その時に入ってきた様々な菌が腸に棲みつくようになります。清潔すぎる環境に育った子供にアレルギーが多いというのも、そのあたりに原因があるようです。より多くの菌が腸内に棲みついている方が、健康を保つうえでの条件が良いようです。 

腸内環境を知るのに簡単な方法があります。毎日自分の「便」を観察することです。最も望ましい便の形はバナナ状で、黄色から黄土色をしていて悪臭がしません。そのような便が毎朝、無理なくスムーズに出るようなら、あなたの腸内環境は申し分ないものだと言えます。


すなわち、便は腸からあなたへの健康のメッセージなのです。 

以下のリストであなたの腸年齢をチェックしましょう。


□便秘ぎみ(または時々下痢をする)    □便は堅く、ストンと気持ちよくでない

□便の色が茶褐色や黒っぽい        □おならや排便後の臭いがきつい

□野菜が嫌い、あまり食べない       □肉食や外食が多い

□牛乳や乳製品が嫌い、ほとんど口にしない □運動不足である

□顔色が悪く肌につやがない、老けて見える □ストレスが多い

□飲酒量や喫煙量が多い


あなたにはいくつあてはまりましたか。


0個:  腸年齢は実年齢より若そう。今の生活を続けましょう

1~2個:腸年齢は実年齢と同じくらい。意識を高めれば、もっと若々しくなれそう

3~5個:腸年齢は若いとは言えません。食生活を改め、運動不足やストレス解消 を心がけて

6~8個:腸年齢は高め。生活習慣を改めないと、老化や体調不良を招く可能性も

9個以上:腸年齢は実年齢よりずっと高め


いかがでしたか?これを機会にアンチエイジングに必須の「美腸」作りに励んでみませんか。

尚、リストは辨野義己氏(農学博士、専門は腸内環境学と微生物分類学)監修のサイトから拝借したものです。

次回は腸内環境を整える食事や生活について考えたいと思います。


(注)読者の方から、先のスーパーフードの記事で、スーパーフードの摂取基準値が書かれてあれば良かったというご意見がありました。
スーパーフードは栄養価が非常に高い食品ですが、過剰に摂ると栄養過多になり健康を害します。特にサプリメントを 摂っている方は、過剰摂取、偏食に気をつけましょう。





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第六回 アンチエイジングと腸内細菌(1)


腸内細菌と聞くとアンチエイジングには関係ないように思われませんか。ところが最近の研究で腸内細菌の働きが多岐に亘り、私たちの健康に関与していることが分かってきました。腸内細菌は食物の消化吸収だけでなく、免疫やアレルギー、そして美肌にも影響を与えます。まさに腸はアンチエイジング対策への重要な臓器として注目され始めています。

腸にはこれまで解明されているもので500種以上の細菌類が棲み、その数は100兆個と言われていましたが、今では1000種の細菌類が9000兆個もあるというデーターが出ているほど膨大なものです。その多くが大腸に棲み、小腸にはおよそ1000万個が棲んでいると言われています。腸壁にびっしりと棲みついている細菌類を見ると、その様子が花畑さながらであることから「腸内細菌フローラ」とも呼ばれています。フローラと呼ばれている腸内細菌達は常にせめぎ合い、「勢力争い」をしながら実に様々な働きをして私たちの健康に貢献しています。

その働きとして

 1.食べ物の消化と分解を助ける

 2.腸の蠕動運動を促進させ、便通を良くし脂肪の吸収を抑える

 3.さまざまな酵素を分泌し、代謝や消化吸収を促進する

 4.代謝成分を「えさ」として取り入れリサイクルする

 5.便の形成(便の約80%は細菌類の死骸)

 6.有害物質の解毒作用を助ける

 7.ビタミン類やホルモンを合成する

 8.必須アミノ酸を合成する

 9.免疫機能を維持し活性化する

等々が挙げられます。つまり、腸内細菌は食べ物の消化や分解を助けるだけでなく、ビタミンやホルモンを合成したり、免疫機能を維持し活性化するなど私たちの健康にとても有益な働きをしているのが分かります。腸内細菌が合成するビタミン類にはビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、ビオチン、葉酸、ビタミンK、パントテン酸があります。これらビタミンB群は神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンの合成に欠かせないとても重要なビタミンです。また細胞の代謝やタンパク質を作るためにも必要なことから、アンチエイジングへの働きが期待できます。

さて、セロトニンは、アンチエイジングに欠かせない神経伝達物質の一つです。セロトニンは別名「幸せホルモン」と呼ばれ、その90%近くが小腸などの消化管に分布しています。「喜びや快楽」を司るドーパミン、「恐怖や興奮」を司るノルアドレナリンなどの働きをコントロールし、ストレスに強く、安定した精神状態を作り出すので、幸せが感じやすくなるなどの働きがあります。また脳内で記憶や学習に関する働きをする海馬への作用があり、仕事や勉強、記憶力をサポートします。その他セロトニンには抗重力筋という筋肉を強化する働きがあります。抗重力筋とは、姿勢を支える筋肉で背中や腰、お尻など様々な部分にある筋肉です。また、顔では目の周りや頬にある筋肉もその一つです。セロトニンが抗重力筋を強くすることで背筋の伸びた姿勢を保ち、顔のたるみを予防するアンチエイジング効果が期待できます。セロトニンが不足するとうつ病や情緒不安定、不眠または過眠、原因不明の体調不良、太りやすくなる、心身共に疲労が蓄積していくため老けやすくなる、など様々な症状が現れます。

ところで、気分調整やアンチエイジングには欠かせないセロトニンは、日常生活の中でもちょっとした心がけでその分泌量を増やすことができるのをご存知でしょうか。

1. 太陽の光をよく浴びる 

2. 生活のリズムを整える

3. 栄養バランスのとれた食事をする。中でもセロトニンを作る材料となる必須アミノ酸の一種「トリプトファン」や分泌を促すビタミンB6を多く含む食品をとる

(赤身の魚、バナナ、チーズ等の乳製品、ナッツ類、豆腐などの大豆食品、キャベツ等)

4. 発酵食品、海藻類などを多くとり腸内環境を整える

5. リズム運動、ウォーキング、散歩、水泳などの有酸素運動を楽しんで続ける

(競技性の高い運動はかえって脳が疲弊してしまうのであまり向いていない)

6. よく笑う!よくしゃべる!好きなことをする!スキンシップで安心感を得る!

(セロトニン神経が活性化する)

7. ときめきを増やす(好きな映画、趣味をする、素敵なお花を飾る等)

8. 深呼吸をする

9. 首のストレッチ(首を前後左右にゆっくり動かすと、脳の「ほうせん核」が刺激されセロトニンの分泌が促される)

いかがでしょうか、今からすぐにでも出来そうなものばかりですね。

次回のテーマは引き続き「アンチエイジングと腸内細菌(2)」で『腸内環境』についてまとめてみます。



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第五回 スーパーフード(3)



スーパーフードの最終回です。スーパーフードは活性酸素の悪影響を抑制してくれる抗酸化物質を大量に含むと言われ、アンチエイジング対策、健康保持に最適です。



11.バナナ


一年中手軽に食べられる抗酸化成分を多く含むフルーツと言えば「バナナ」です。具体的にはβカロチン(βカロテン)、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール類などの成分を含み、細胞の劣化・老化を予防してアンチエイジングに役立ちます。またカリウムが豊富で、血圧を上昇させるナトリウム(塩分)を尿中に排泄する働きがあり、むくみの解消につながるだけでなく、高血圧・動脈硬化・脳梗塞などの生活習慣病の予防が期待されます。骨や歯の形成を助けるマグネシウムも豊富で、骨粗鬆症の予防に効果があります。更にバナナには2種類の食物繊維が含まれていて、整腸作用があり便秘解消に役立ちます。


バナナはその熟度によって効能が変わります。青めのバナナは整腸効果があり、黄色のバナナは美肌・アンチエイジング効果、更に完熟して茶色い斑点のあるバナナは、免疫機能を強化し胃潰瘍の抑制効果もあると言われています。



12.チアシード(チア種子、ドイツ語で Chiasamen


チアシードは、メキシコからグアテマラが原産のシソ科の植物チアの種です。古代マヤ民族の言葉でチアは「力」を意味し、その時代からパワー食として食されてきました。栄養成分の含有量は圧倒的に高く、タンパク質、ミネラル(カルシウム、亜鉛、マグネシウム、鉄分など)、ビタミン類、オメガ3脂肪酸(αリノレン酸)、9種類の必須アミノ酸、食物繊維などが豊富に含まれています。これらの栄養素により、生活習慣病の予防、抗酸化作用、ガンの予防、美肌・アンチエイジング効果、うつ症状の予防・軽減、アレルギー症状の改善などの効果が期待できます。


チアシードは水やミルクなどで戻して食べます。水で戻すと10くらいに膨れます。その時にチアシードの周りにできたゼリー上のものはこんにゃくにも含まれている「グルコマンナン」という食物繊維で、便秘予防、ダイエット効果もあります。


:チアシードは水分を吸収して膨張する性格があるため、十分な水分と一緒に摂るよう、包装パックに記載されています。また欧州連合内では新規食品としてのEU規則により、1日分の摂取量は15g(約大さじ1杯)までと決められていますので摂り過ぎに注意が必要です。)



13.アーモンド、クルミなどのナッツ類


アーモンドは、ビタミンEとポリフェノールが豊富な上、オレイン酸の含有量が70%と高く、アンチエイジングに欠かせない食品といえます。特にオレイン酸はコレステロールを減らす作用がある不飽和脂肪酸の中でも最も安定した脂肪酸であるため、食べても脂肪がつきにくいと言われています。スイーツやおつまみとして食することで健康を維持することができます。


クルミは抗酸化作用が強いと言われているナッツ類の中でも、とりわけ抗酸化物質とオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいます。特にαリノレン酸は血液をサラサラにする働きがあり、結果として高血圧や動脈硬化、血栓を予防・改善します。心臓や脳に良いだけでなく、美容やアンチエイジングにも重要な栄養素です。


毎日一握りのナッツ類を食べることは寿命を延ばす効果があり、またガンのような命に関わる病気で死亡するリスクが低いとも言われています。



和食のスーパーフード


1. 納豆


納豆は日本の伝統的食品で、柔らかく煮た大豆に納豆菌を繁殖させて作ります。原材料の大豆が持つ豊富なアミノ酸や、大豆イソフラボン、大豆サポニン、ビタミン、ミネラルが豊富な上に、納豆菌の発酵過程でビタミンB群やビタミンK2などがプラスされて素晴らしい健康食品となります。それが医学的に実証されたのは、1980年代に納豆菌(ナットウキナーゼ)という酵素に血栓を溶解する効果があることが発見されてからです。ナットウキナーゼには血栓融解作用だけでなく、血液をサラサラにして流れを良くする効果があり、また腸内の善玉菌を増やし悪玉菌を減らす整腸作用もあります。納豆菌はカルシウムの吸収に必要な「ビタミンK2」を作るため、納豆を日頃食べていると骨粗鬆症を防ぐことができます。他にも美容ビタミンと言われるビタミンB2とビタミンEも含み、老化を防ぎ若返りに貢献してくれます。まさに世界に誇る日本の健康食品といっても過言ではありません。



2. 味噌


味噌は大豆を発酵させて作りますが、発酵することで大豆に含まれる少量のアミノ酸やビタミン類が増えるだけでなく、発酵前にはなかった様々な栄養成分も作られます。


味噌に含まれる栄養素には、タンパク質、イソフラボン、ビタミンE、ビタミンB、ミネラル、ペプチド、サポニン、酵素、食物繊維、リノール酸などがあります。ビタミンは全般的に美容にいいと言われていますが、その中でも特にビタミンEはアンチエイジングビタミンと言われ、体の老化につながる細胞の酸化を予防してくれます。また血管の健康を保ち動脈硬化などの病気を予防する働きもあります。イソフラボンは女性ホルモンのエストラゲンに似た働きがあると言われていますが、女性ホルモンの活性を高め美容に効果のある成分として昔から注目されています。サポニンとリノール酸は血中コレストロールの上昇を抑制する効果で知られ、リノール酸はまた美肌効果も期待できます。


味噌や納豆をはじめとした大豆の発酵食品は、タンパク質が吸収しやすい形になっていて、世界でも長寿食として研究が進められ注目されています。



3. 緑茶 


緑茶は昔、漢方薬として中国から持ち込まれたのが始まりで、古くからその薬効の高さは注目されています。緑茶の持つ渋み、苦味は、ポリフェノールの一種の茶カテキンのせいで、このカテキンに健康に優れた様々な成分が含まれています。まず殺菌作用に優れ、インフルエンザ菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、ピロリ菌や大腸菌O157などの有害な菌に対して殺菌力を発揮し、食中毒の予防になります。また虫歯菌にも効果があります。日本では食事中や食後によくお茶を飲みますが、それは理にかなっていると言えます。このほか体脂肪や血中コレステロールを低下させ、血糖値上昇を抑える効果もあり、動脈硬化、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防につながります。また強い抗酸化作用により老化を遅らせ、ガンの発生を抑えるという報告もあります。緑茶にはカテキンの他にもビタミン類も豊富で、これらの効能をさらに強力にします。まさに緑茶はスーパードリンクというにふさわしい飲み物です。



スーパーフードはこのほかにもまだいろいろあります。関心のある方はネットなどで更に検索されたらいかがでしょうか。


次回はアンチエイジングシリーズの「腸内環境」についてお知らせしたいと思います。




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第四回 スーパーフード(2)

先回に引き続きスーパーフードについてお伝えします。スーパーフードは活性酸素の悪影響を抑制してくれる抗酸化物質を大量に含むと言われ、アンチエイジング対策に最適です。


5. 穀物(大麦、小麦など)の若葉 (Getreidegrass)から作った青汁

穀物の若葉は、海藻や野生の薬草と同様にクロロフィル(葉緑素)が最も含まれている植物です。若葉を絞った青汁の状態が一番栄養があります。青汁の成分の70%はクロロフィルで、私たちの血液に十分の酸素を供給します。そのほかミネラル、鉄や亜鉛、カルシウムなど、日々の生活に欠かせない大事な無機質がバランスよく摂取でき、貧血予防も期待できます。ビタミン類やコラーゲンの生成を促進するビタミンCも豊富ですので、骨や皮膚を丈夫にすることができます。また身体の中でビタミンAに変わるβカロチン(βカロテン)を含んでいますので、ウイルスなどに対する免疫力を高めてくれます。そのほかの大事な栄養素として抗酸化作用のあるSOD酵素と呼ばれるものがあります。あまり聞きなれない栄養素ですが、動脈硬化や高血圧・糖尿病などの生活習慣病全般、さらに肌の新陳代謝を促し、シミやそばかすなどの肌のトラブルまで改善してくれる重要な酵素です。このように非常に優れたSOD酵素ですが、あまり話題にならないのは、通常の食事から摂取することが難しく、青汁などからしか摂取できないという理由によります。活性酸素を中性化するSOD酵素は体内でも作られますが微量であるため、青汁かサプリメントから取り入れるしかないようです。現代人に不足しがちなミネラルやビタミンを補い、若々しい身体を維持するのに大いに役立ちます。自分で家庭栽培することもできますが、リフォームハウスなどで穀物の若葉を粉末状にしたものを購入するのが一番容易な方法でしょう。ティースプーン一杯ほどを水で溶いて噛むようにして飲みます。


6. 緑色野菜(ブロッコリー、ほうれん草、チリメンキャベツなど)

緑色野菜は穀物の若葉のようにクロロフィルが豊富で、緑色が濃いほどクロロフィルの含有量が高くなります。

ブロッコリーやほうれん草はビタミン類、ミネラル類をまんべんなく含む栄養満点の野菜です。特に多く含まれるβカロチンは、皮膚や粘膜の健康を保つほか抗酸化作用も強く、細胞の老化を防ぐ効果があります。スルフォラファンという物質を含んでいて発ガン性物質や活性酸素を排出する働きがあり、ガン予防に効果的です。マグネシウムの含有量が高くストレスにも効果を表します。ビタミンCの含有量はレモンの2倍以上で、風邪などに対して抵抗力をつけます。また鉄分、ビタミンB類、カルシウムそして葉酸(Folsäure)が豊富なためベジタリアンにも最適な食品です。さらにルテイン、ゼアサンティンが含まれ、私たちの肌や目を紫外線と酸化から守ります。

最近スーパーフードとして注目され始めたチリメンキャベツ(Federkohl/Grünkohl)はケルセチンという抗酸化成分を大量に含み、ORAC値(活性酸素を除去する力を測る数値)が非常に強く、アンチエイジング対策に適しています。ビタミンA、ビタミンB類が豊富で、さらに少量でビタミンCの1日の必要摂取量をカバーします。また丈夫な骨を作るビタミンKとカルシウムを大量に含むため骨粗鬆症の予防に最適な栄養素です。


7. 赤色野菜

赤色食品の人参とかぼちゃはカロチンを、トマトはリコピン、ナスはアントシアニンと色の濃い野菜には様々な抗酸化成分が含まれていて、活性酸素を除去する力に優れています。これらの成分は眼病やガンなどの生活習慣病の予防にも効果的な栄養素として知られています。


8. アサイベリー

ブラジルのアマゾンの山奥に自生するヤシ科の実で、原住民が大昔から薬代わりに利用していた果実です。ORAC数値は果物の中で一番高いと言われていますが、それは濃い紫色の実の色素の元になっているアントシアニン(ポリフェノール)が大量に含まれているからです。アントシアニンは強い抗酸化効果があり、また目の疲れを癒し、視力を改善する効能があるとされています。そのほか心臓によく、コレストロール値を下げる働きがあり、炎症やガン予防にも期待できます。そのほか、19のアミノ酸、豊富なミネラル類、ビタミン類などのほか、必須脂肪酸、不飽和脂肪酸など豊富な栄養素が詰まっていて、まさに「奇跡の果実」と呼ばれるスーパーフードです。


9. アロニアベリー(Aronia berry/Aroniabeere

遠い異国にスーパーフードを求めなくても地元にも同じような栄養価が非常に高い果実があります。アロニアベリーはロシアでは19世紀から栽培され、昔から医薬的な効能が証明されて粉末として医薬処方されています。スイスでも特に東スイスで栽培されています。黒と赤色の果実があり、黒の方が栄養価が高いです。アントシアニンの働きで、眼精疲労の回復や血液循環促進、高血圧予防に効果があると言われています。抗酸化性が高く、老化防止やガンなどの生活習慣病の予防に期待できます。ビタミン類、ミネラル類も豊富で、体の抵抗力をつけ筋肉や骨を強くします。日本でも最近新薬開発に用いられているようです。そのまま食するには苦くて酸っぱ過ぎるため、粉末状のものをミューズリに入れるか、ジャムのように甘みを加えて食べます。最近、コープで乾燥させたアロニアベリーも出ました(スイス産、有機栽培のNaturaplan)。干しベリーは酸味も苦味もそれほどなく、一日の目安は1020粒程度です。


10.ヒッポファエ(サジー)ベリー(ドイツ語でSanddornbeere

サジーベリーはグミ科の朱色/黄色の果実で、原産地はアジアですが、ヨーロッパでも特に東欧・ドイツで生育します。ビタミンCの含有量はレモンの5倍以上で、1日わずかの量を摂取するだけで、風邪などの感染に対して免疫力をつけ、弱った体の抵抗力を高めます。ミネラル類、ビタミン類、葉酸、鉄分、不飽和脂肪酸など多くの栄養素を含んでいて、活性酸素を除去し、目や皮膚の健康維持、美白効果、生活習慣病の予防などに効果がある万能な果実です。アロニアベリーと同じく酸味が強いため、粉末にしてミューズリに混ぜたり、薄めてお茶やジュースとして飲みます。リフォームハウスのほか、コープやミグロではSanddornsirup(シロップ)が販売されています。またSanddornmarkSanddornの果肉に砂糖を加味)もあり、ジャムや蜂蜜のコーナーで販売されています。ヨーグルトやミューズリに1さじ加えると美味しいです。



次回は「スーパーフード」の最終回、和食のスーパーフードについてもお知らせする予定です。


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第三回 スーパーフード(1)

先回の老化のメカニズムで、活性酸素が老化に影響していることを学びました。今回は活性酸素の毒素を消す抗酸化物質を大量に含むと言われているスーパーフードについて調べてみます。

スーパーフードと聞くと、いかにも流行り言葉のように聞こえますが、『スーパー』という表現からも、普通の食品とは少し違うことが想像できます。言葉の由来は、1980年代頃から健康的な食事療法を研究していたアメリカやカナダの研究者の間で出てきた言葉です。その後アメリカ人医師プラットの著書『スーパーフード:あなたの人生を変える14の食品』によって、特にベジタリアンやビーガン(完全菜食主義者:乳製品、卵、蜂蜜などを含む動物由来の食品を一切摂らず、また革製品などの動物利用も一切避けるという生き方をする人々)を通して世界中に知られるようになりました。

スーパーフードの定義は次の通りです。


1. 植物性の食品で栄養価が非常に高い

2. ある有効成分が飛び抜けて高い

3. ごく少量でも栄養・健康成分が含まれている


さらにそれらの食品は、「天然の抗酸化物質を多量に含み、糖尿病や循環器系疾患などの生活習慣病や老化の予防になり、ガンのリスクを低くする」など、アンチエイジングの効果もあることから、益々人気を博するようになりました。まだ研究されている段階ですが、アルツハイマーに対しても効果を発揮すると期待されています。

今やスーパーフードは、朝食やスムージー、飲料、スナック、デザート、そして一般の料理の食材に幅広く利用されています。


具体的にスーパーフードとはどのような食品かというと、ベリー類(ブルーベリー、アサイベリー、アロニアの実など)、ナッツ類、種子(チアシード、ハンフ、ラインザーメンなど)、緑色野菜、バジル、コリアンダーなどの新鮮な薬草、キノアやアマランスなどの健康的な穀物を指します。

一般にスーパーフードとして賞賛されている食品の中には、アマゾンの山奥で取れるアサイベリーや、ペルーのアンデスの山奥で取れるマカなど、あまり耳にしたことがないエキゾチックなものもあります。それらは原住民が太古の昔から食していたもので、健康に優れ高いエネルギー源があると実証されている食べ物です。しかし新鮮な状態で手に入れることは難しく、フリーズドライでのみ手に入るものもあります。最近流行りの食品として値段も高い食品もあります。しかしそれらの見慣れない食品を無理に求めなくても、ヨーロッパや日本で昔から食されてきた食品にも同じような効果のある食品があります。自分の嗜好に合った、簡単に手に入って料理に組み入れられる食品などを選んで利用しましょう。


入手しやすく、かつ典型的なスーパーフードには以下のような食品があります。

1. ラインザーメン (フラックスシード、亜麻の種子)

オメガ3脂肪酸、食物繊維、リグナン(ポリフェノールの一種で抗酸化力が強く、植物性エストロゲンとしての効果がある)、たんぱく質が豊富で、コレステロール値を下げたり、ガンや心疾患の予防になるなど、ヨーロッパでは昔から重宝されているメディカルフードです。(ラインザーメンは熱に弱いため生で食べる)ラインザーメン油は当会の油のシリーズでも説明しましたが、α—リノレン酸が豊富で脳の活性に良いと言われています。ラインザーメンと同じく加熱せずに使用します。


2. ブルーベリー(Blueberry、ドイツ語ではHeidelbeereとも呼ばれる)は果物の中でも最も健康に役立つと言われ、あらゆる成分を含んでいます。とりわけ青色の色素であるアントシアニンには強い抗酸化作用があり、細胞を有害物質から守ります。アントシアニンとビタミンE、マンガンなどによって生活習慣病の予防やアンチエイジング効果を発揮します。また視覚機能改善作用や眼精疲労改善作用があることで知られています。アントシアニンはまた、骨粗鬆症の予防に効果があります。その他にもビタミンACKなどを含み、まさにスーパーフードと言われる所以です。


3. 海藻

日本人にとっては昔から馴染みの深い食品です。タンパク質やクロロフィル(葉緑素)、植物では海藻にだけある細胞の新陳代謝に不可欠なビタミンB12、(9種類の)必須アミノ酸、主要なビタミン、マグネシウムやカルシウムなどのミネラル類が豊富です。加えてオメガ3脂肪酸やヨードを含み、食物繊維も豊富と良いことづくめです。


4. アボカド

南アメリカ産のアボカドは今や人気の食品です。バターのようにこってりした脂肪は不飽和脂肪酸で、体内の悪玉コレストロールを低下させる働きがあり、心臓や血管の健康維持に役立ちます。そしてこの脂肪は他の食品の脂肪に溶解している栄養素を体内に取り入れやすくするため、サラダやスムージーに少し入れるだけで食事をさらに健康にします。またアボカドは「食べる美容液」と呼ばれるほど美肌効果があると言われています。肌の潤いを保つ脂肪はもとより、皮膚の再生に必要な必須アミノ酸、美白効果のあるビタミンCE肌荒れや老化防止に役立つコエンザイム(補酵素)Q10を含んでいます。その他ビタミンAカリウム、カルシウム、鉄、燐などのミネラル類を含み、食物繊維も豊富です。さらにはカロテノイドの一種であるルテインを含み、加齢に伴う目の病気(白内障など)から守ります。ビタミンB類の含有量は果物の中でもっとも高く、アボカドはアンチエイジングの効果抜群です。

次回は引き続き『スーパーフード』をご紹介します。




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# by sjlifestyle | 2017-03-11 05:40