第一回 アンチエイジングの意味と歴史


全ての生命体は「誕生」と同時に「老化」への道を歩み始めます。そして自然の摂理である老化のプロセスを止めることはできません。「いつまでも若くいたい」と願うのは洋の東西を問わず、あるいは男女を問わず、多くの人にとって当然のことでしょう。今回から数回に分けて老化現象とアンチエイジングについてお知らせしていきます。きっとお役に立つ部分が見つかることと思います。

アンチエイジングの意味

エイジングとは年齢を重ねることですが、それに抵抗(アンチ)するという意味合いでアンチエイジングという言葉が生まれました。美容や健康の面で注目され始めた概念で、老化の原因の抑制、心身機能の衰えを予防・改善することを意味しています。

アンチエイジングの歴史

 歴史を遡れば、絶世の美貌を誇りその美貌を保つ為に、当時の富と権力を駆使して様々な健康法を追求し実践していた、何人かの歴史上の女性たちの存在に気づかされます。その健康法や美容法は果たしてどんなものだったのでしょうか。

 クレオパトラ(紀元前69‐30)は、真珠を酢に溶かして飲用し、蜂蜜やアロエを日常的に使い、ロバのミルク風呂や死海の塩を入れたお風呂に入っていたという記録があります。寝室にはバラの花を敷き詰め、バラの香料や香油をふんだんに使っていたそうです。

 楊貴妃(719‐756)は玄宗皇帝に「ライチ」や「氷」を遥か遠方から長安まで取り寄せさせたことで知られています。薬膳に力をいれ、古くから「生命と健康の穀物」と呼ばれて重宝されてきた「ハト麦」等を欠かさなかったと伝えられています。また、白キクラゲ、とろけるほど柔らかく煮た鶏肉、燕の巣を常食としていました。

 一方、夫の皇帝と息子の代わりに男勝りの政治をしたことで有名な西太后(1835‐1902)は、若さを保つ為に好物の「クルミ汁」、ロバのニカワ「アキョウ」(別名、和漢コラーゲン)、「豚の丸焼きの皮」の他、日々の食事には100種の料理を作らせていたということです。肌にトラブルが多かったことから「永遠の若さ」を追求し続け、「玉溶散」という雀の尿と雄の鷹と雄の鳩の糞で作られた化粧品を愛用し、宝石でできた「美顔ローラー」を使用していたそうです。この「玉溶散」の成分は「鶯の糞」にもあり、日本では江戸時代頃からを美顔術の一つとして芸者や歌舞伎役者の間で使われていたと言われています。

 その西太后と同じ時代に生きたオーストリア・ハンガリー帝国の皇后エリザベート(1837- 1889 )は、当時のヨーロッパで最も美しい女性として知られていました。子牛の生肉から絞り出したエキスを飲用したり、薄切りの生肉でパックをするなど独特の美容法を実践していたそうです。しかし前述の3名の食事と比較すると、エリザベートの食事はオレンジジュース、ミルク、ブイヨン、塩で味付けした卵白等でダイエットに近いものだったようです。

 平安時代の女流歌人として名の知れた小野小町(825-900)は山芋入りの麦粥、蜂蜜、鰻や鯉料理を好んで食したそうです。「温泉」が好きで、入浴後はへちま水を化粧水として使い、米ぬかや小豆粉をクリーム状にして肌に塗布していたと言われています。


 「美貌を保ちたい」「健康でいたい」という一念から始められた健康法・アンチエイジングは古の時代から今に続き、その多くが現在エステなどの施術や食膳としてより一般化しています。
 このように、かつては王族・貴族などの特権階級だけに可能であったアンチエイジングですが、現在では社会全体が豊かになってきたこともあり、一般の人たちにも手が届くものとなりました。また社会全体が高齢化社会になってきたことも一因です。同時に医学やライフサイエンスの進歩により老化についての研究が進み、新しい知識が一般の人にも手に入り、努力すれば誰にでも効果が出る時代になりました。

次回は「老化現象」のメカニズムについてお知らせします。
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第七回 和食の薬味 Ⅱ


前回に引き続き、和食に欠かせない薬味の効能についてお知らせします。薬味は脇役的な存在ですが、私たちの健康にとても貢献しています。

薬味の効能

大根おろし
大根はビタミンCの含有量が高く、皮に近い部分ほど多く含まれています。ビタミンCには肌の状態を整えたり、肌のメラニン色素の生成を抑えたりする働きがあります。消化酵素ジアスターゼも多量に含まれているので、胃もたれや胸焼け、二日酔いに効果があります。また大根は食物繊維が豊富なので、腸内の老廃物を排出する効能があります。
大根はすりおろすと「イソチオシアネート」と呼ばれる成分が生成されます。これが大根おろしの辛味の主成分です。ワサビの辛味などと同じタイプの成分で、殺菌作用があり、免疫力を高めたり、ガン細胞を抑制したり、消化を促す効能があると言われています。ビタミンCや消化酵素ジアスターゼは熱に弱いので、大根おろしとして生で食べることにより、栄養素を壊さずに体内に取り入れることができます。皮を薄く剥いて直前にすりおろして食べるのが理想的です。

わさび
わさびには本わさび(日本原産わさび)と西洋わさび(ホースラッデッシュ)の2種類があります。本わさびは日本の山間清流に自生、あるいは冷涼な場所で栽培されます。西洋わさびはフィンランドや東ヨーロッパが原産地ですが、北海道のような涼しい地域で、昔海外からもたらされた西洋わさびが自生して山わさびと呼ばれています。本わさびは寿司や刺身に欠かすことのできない薬味として、また西洋わさび(ホースラディッシュ)はローストビーフなどの西洋の肉料理に添えられます。鼻にツーンと抜けるような辛味の成分は「アリルイソチオシアネート」という成分で、強い防腐作用や、食中毒を引き起こすO-157、腸炎ビブリオ菌、黄色ブドウ球菌などの増殖を抑える抗菌作用があります。また、ガン予防効果や血栓予防効果も知られています。さらに香味成分の効果で食欲を高め、消化を助けるという役割もあります。
生の本わさびの根茎に含まれるワサビスルフィニルという成分は、非常に強い抗酸化力があり、生活習慣病、老化防止、発ガン抑制作用があるとされています。西洋わさびにはワサビスルフィニルの成分はほとんど含まれていません。
私たちが普段利用している缶入り粉わさびやチューブ入り練りわさびは、緑色に着色された西洋わさびの粉末が使われていることが多いので、買うときには原材料の表示を確かめてください。

ごま(胡麻)
ごまには黒ごま、白ごま、金ごまなどの種類があります。栄養的にはどれもほぼ同じで、タンパク質、各種ビタミン、食物繊維が豊富に含まれています。またカルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルも豊富で骨粗しょう症の予防、貧血の改善に効果があります。さらに活性酸素の生成を抑え、肝臓機能を強化して細胞の老化やガン化を抑制する働きもあり、昔から不老長寿の食物として愛用されてきました。ごまに含まれる脂質にはリノール酸やオレイン酸といった血中コレステロールを下げる働きがある不飽和脂肪酸も含まれています。ただし成分の半分は脂質という性質上、美肌効果はあるものの、摂りすぎには気をつけましょう。ごまは硬い殻に覆われているため、そのまま摂取するとせっかくの栄養成分が吸収されずに排泄されてしまいます。すりつぶすなどして摂取されやすい形で食べるのが効果的です。
料理ではすりごまを使ったごま和えやふりかけ、ごま油として摂取できます。

ゆず(柚子)
ゆずの皮は乾燥させて七味唐辛子に加えられるなど、香辛料・薬味として知られています。生で薄切り又は千切りにしたものを、香りとして膾(なます)やサラダに散らしたりします。ゆずにはビタミンC、カルシウム、カリウム、鉄分、ミネラルなど豊富な栄養成分が含まれています。果実よりも皮の部分により多くの栄養が含まれ、ビタミンCはレモンの1.5倍、コラーゲンを生成する働きもあります。香りの精油部分には神経をリラックスさせる働きがあります。ゆず風呂など覚えていらっしゃるでしょうか。
生のゆずはスイスでは手に入りにくいですが、ゆずの加工品(ゆず酢、ゆず醤油、ゆずドレッシング、ゆずジュース、ゆずシロップなど)を利用することができます。

青ジソ
青ジソは古くから薬効があるとして重宝されてきた薬味で、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ミネラルなども豊富です。青ジソは鮮やかな緑色と爽やかな香りが食欲を増進させ、殺菌力と防腐作用もあるため、刺身などの生ものによく添えられます。細かく刻めばより殺菌効果が高まります。貧血予防、精神安定、ガンの予防にも効果があります。またシソには美肌効果もあると言われています。
シソはスイスで簡単には手に入りませんが、日本から種を取り寄せたりして、バルコニーのプランターで育てたり、庭に撒いて育てることもできます。シソは1年草です。

海苔
海苔は海藻を原料としているので、カルシウムやミネラルや食物繊維が豊富です。そのほかにも、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンB、タンパク質などがバランスよく含まれている優れた健康食品です。海苔の食物繊維には整腸作用があり、糖尿病や大腸ガンの予防にも効果的です。海苔のビタミンB1、B2は疲労回復に効果があり、鉄分は貧血予防、カルシウムは骨粗しょう症を防ぎます。さらに血液・血管の健康維持に重要なEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富です。海苔に含まれる成分タウリンは中性脂肪を減少させるなど生活習慣病の予防にも効果があります。海苔2枚で子供の1日のビタミン必要量をカバーすると言われています。これほどの栄養素がある海苔は、是非和食の食卓に取り入れたいものです。

次回は『アンチ・エイジング』をテーマに取り上げる予定です。
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第六回 和食の薬味 Ⅰ

これまで香辛料をテーマとして胡椒とショウガについて詳しくお伝えしてきました。香辛料は海外からもたらされましたが、日本では昔、生薬として漢方薬の材料として使われたほかは、一般的にはあまり使われませんでした。それは江戸時代ごろの日本人は肉食ではなかったことと、発酵調味料を使用していたため香辛料の需要が少なかったことにあります。
今回は香辛料の枠を広げ、江戸時代頃から登場した日本独特の薬味についてお知らせします。
刺身に付くおろしわさび、冷奴やそばについてくる刻みネギ、天ぷらに欠かせない大根おろしなど、和食の食卓に薬味はつきものです。薬味がなくて何か物足りないと感じた経験はないでしょうか?

薬味が使われ始めたのは江戸時代頃から

江戸時代の初めにはうどんが日本人の好物となったようで、そのうどんに薬味が使われるようになりました。ただし今のように長ネギや七味唐辛子ではなく、当時の薬味は胡椒や梅干し、大根、味噌、醤油と記録されています。醤油は江戸時代前期に現在の千葉県の野田や銚子で作られ江戸へともたらされ、大都市江戸から全国へ広まりました。現在では味噌や醤油は調味料に分類されていますが、初めは薬味だったわけです。では当時のうどんの調味料はなんであったかというと、鰹の煮汁いわゆる「だし」でした。また当時そばの薬味にはすでにわさびが使用され、江戸時代から出てきた寿司にも風味と鮮度を保つためにわさびが使われていました。

薬味の役割・料理との関係

薬味は加薬とも言い、日本料理に用いる香味料です。出来上がった料理に添えて香りや風味を増し、彩を加え、食欲増進に役立ちます。またその香りと成分が肉や魚などの臭みを抑制し、味をまろやかにします。「薬味」という表現からも「薬膳」と同様に、体を温める、消化を促すなどの健康増進の薬効も大事な要素になります。殺菌作用のある薬味は食材の腐敗を防ぎ食中毒を予防します。また薬味と食材の相乗効果で栄養が吸収されやすくなります。
前述したように、焼き魚に大根おろしなど、料理と薬味の組み合わせというのがあります。それは食材と薬味の持つ薬効を理解した先人の知恵から、最適な組み合わせが代々伝えられてきたからです。
また薬味の調理はいずれも食事の直前に準備する必要があります。おろしたり擦ったり、刻んだりした薬味は時間が経つにつれ香りが薄れ、有効成分が揮発してしまうためです。例えば大根おろしは、おろした後15分ぐらいで食べないと有効成分の効果がなくなってしまいます。

薬味の種類

薬味の食材には植物性の野菜と果物の生鮮品と乾燥品、動物性のものは鰹節、桜エビなど乾燥水産品などがあります。また海藻のノリも薬味の一つです。
1.野菜類:主に葉や茎の部分を使い、大抵は生のまま水洗いしたものをそのまま刻んで使います。野菜類の薬味は緑色の鮮やかなものが多く彩りを添えるにも一役買っています。主なものは、長ネギ、玉シソ(青ジソ)、三つ葉、みょうが、ニラなど。
2.柑橘類:柑橘類の果実と果汁は爽やかな芳香が特徴で、料理に風味をプラスしてくれます。主なものは柚子、レモン、ライム、かぼす、スダチなど。
3.根菜類:生のまますりおろしたり、刻んだりして使います。しょうが、わさび、大根、玉ねぎ、ニンニク、ホースラディッシュなど。しょうがやわさび、ニンニクなどは乾燥させて香辛料としても使われます。
4.種子類:乾燥させた状態で使いますが、脂質を多く含むため多く使うとしつこくなります。ゴマ、ピーナッツ、クルミ、松の実など。
5.海藻類:乾燥させて切ったり揉んだりして使います。海苔、青海苔など。
6.動物性のもの:削りぶし、桜エビ、チリメンジャコなど。

薬味の効能:スイスで手に入る食材を使った薬味

長葱(ネギ)
長ネギには、食欲増進、血行を良くし疲労物質である乳酸を分解、新陳代謝を活発にする作用があります。強力な殺菌作用もあり、風邪の予防・治療に役だち、また咳を鎮めます。解毒作用、発汗作用、抵抗力アップ、不眠改善の効果などもあります。
種類は関東で多く食される白ネギと関西で多く使われる青ネギがあります。栄養的には、太陽の光をたくさん浴びて育った青ネギの方が白ネギより栄養成分が多く含まれています。特にビタミン、ミネラルについての差は大きく、ビタミンCは約4倍、ビタミンAは100倍以上になります。
しかし、白ネギに含まれているピリッとした刺激臭は硫化アリルという物質で、硫化アリルの一つアリシンは食欲を増進したり、消化器系の働きを高めたり、血行を良くするという効果があります。硫化アリルは、玉ねぎやニンニクなどにも同様に含まれています。

次回は、スイスでも手に入る和食に合う薬味をさらにいくつか取り上げたいと思います。
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第五回 生姜(ショウガ)Ⅱ

引き続き生姜のお話です。今回は、冷え性に良く効く「ウルトラ蒸し生姜」の作り方、使い方、注意事項等(一度作っておけば毎日の生活の中で簡単に冷え予防ができます)、また一般に知られている生姜の効能についてお知らせしたいと思います。

作り方
1)皮をむかずに、繊維ラインに平行にスライス(厚さは1~2ミリ程度)
  ・ラインに垂直に切ると繊維が毛羽だち、食感も見ためも悪くなってしまう
  ・Bio生姜がお勧め(ビオショップ、または大きいミグロにある)
2)重ならないように並べてスチーマーや昔ながらの蒸篭(セイロ)で、またはオーブンに
  お湯の入ったプレートをいれて蒸す
  ・80℃、80%の湿度で加熱するのが、ショウガオールが一番増え易く風味も良い
  ・自動的に湿度調整のできない器具は、卵料理感覚で100℃以上にならないよう調節す
   る(オーブンなら下火だけでプレートの湯気を立たせ、生姜を入れてから上下80℃
   ~100℃に保つ。セイロは湯気が立ったら弱火にし、蓋に箸ばさみをする)
  ・ニオイで蒸し上がりを判断
   ①初めはレモンのような柑橘系の香りがする
   ②30分経過→芋っぽい甘い香り
   ③黒味を帯びたらOK
  ・電子レンジや圧力鍋利用では温度が高くなりすぎるので効果が期待できない
3)乾燥
  ・天日(ビタミンDも取れてお奨め)なら1日、室内なら1週間干したら出来上がり
  ・野菜果物乾燥器(Dörrapparat)やオーブン(80℃位)で、パリパリになるまで乾燥
   させることも可
  ・密閉容器やクッキー用のセロファンの袋等に入れると3ヶ月くらい持つ
  ・乾燥生姜をミキサーで粉末状にすることも一案。手軽にスープに、おかずに、
   スムージーに、ココアに、昆布茶に、何にでも振ったり入れたりできるので、
   『お手軽冷え取り』ができる

簡単でおいしく飲める「ウルトラ蒸し生姜紅茶」
 紅茶に1~2切れ入れるだけ。常飲すると、身体を温め万病の予防・改善になります。
ただし…
・一日5~6杯くらいまでに抑えましょう。ジンゲロールの辛味は刺激が強いので、胃腸の弱い人はも ちろん、健康な人も、むやみに取りすぎないことです。
・ウルトラ蒸し生姜紅茶は冷蔵保存をしてはいけません。体を温めるショウガオールは冷えると水の成分と結びついて、元のジンゲロールに戻ってしまうのです。つまり、加熱生姜を既に入れてしまった紅茶を冷保存すると、それを短時間温め直しても体を冷やすことになります。これは、最近の研究で明らかになりました。
・ジンゲロールに戻るには水が必要なので、乾燥したショウガだけなら冷やしても大丈夫です。しっかり水気を飛ばして、パリパリ折れる位乾燥したものなら冷凍保存することもできます。これはカビる心配がないので便利です。

 これらは特に冷え性改善や冷え防止対策ですが、この他にもウルトラ蒸し生姜には次の効果があります。(乾燥のみの生姜=ウルトラ生姜も、ウルトラ蒸し生姜より効果は低いが利き目はある。日光乾燥、特に夏の陽射しなら最適で、蒸すのが面倒な場合は、これだけでもかなりの効果が期待できる。当会々員経験済み)

  抗酸化作用、疾病予防効果
・脳内の慢性炎症を抑えたり神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを良い状態
 に保って、認知機能の低下を防ぐ
・アンチエイジング、美容効果
・ストレス緩和、筋肉痛緩和、動脈硬化予防、悪性腫瘍予防、消炎・鎮痛効果、
・花粉症(アレルギー)対策

  ダイエット効果、メタボ予防
ショウガオールを摂ってから有酸素運動(ウォーキングやアエロビック等)をすると体脂肪が分解され筋肉で消費されやすい形になるので、体脂肪を効果的に減らすことができる(ただし、いくら生姜をとっても、運動しないと脂肪はあまり減らない。ウォーキングのような軽い運動で充分なので、定期的に!)
『1回1gを限度』に1日数回が目安。健康な人には、2~3グラム、10片位。

 ここで最後に、生姜の効能を簡単にまとめてみました。特にこれからの季節に役立てられたらと思います。

1.解熱、解毒、発汗作用、咳止め、吐き気止め、健胃腸効果
〔風邪、下痢、便秘・主にジンゲロール(生の生姜に多い)の働き〕
2.殺菌作用、消臭作用 
〔生の食品等・主にジンゲロールの働き〕
3.血流改善、抗酸化作用、体脂肪分解
〔冷え性改善、疾病予防効果・主にショウガオール(100℃以下の加熱・乾燥生姜に多い)の働き〕

次回は、香辛料の枠を広げて和食独特の薬味について見ていきたいと思います。
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第四回 生姜(ショウガ)Ⅰ 

生姜の歴史は胡椒に負けないほど古く、インドからマレーシアにかけての熱帯アジア地方が原産地です。日本へは中国の呉の国(222~280)から渡来したと言われています。昔から生薬として使われ、特に漢方薬や伝統医学には欠かせません。漢方薬の約70%に生姜が含まれていると言われています。 

西洋にもすでに紀元前2世紀には伝えられ、主に貴重な生薬として用いられてきました。イギリスでペストが流行った14世紀に生姜を食べていた人は死ななかった、という事が明らかになり、後の国王ヘンリー八世が、生姜の成分がペストの予防に良いとして国民に奨励しました。それからイギリスを始めとする欧米では、ジンジャーブレッドやジンジャークッキーが頻繁に食べられるようになりました。 日本では、寿司や冷奴、素麺、たたきなどの料理に欠かせない薬味です。すりおろす、刻んで振りかける、醤油と混ぜる、または千切り(針生姜)にする等、用途は無限です。紅生姜は、散らし寿司、焼きそば、たこ焼きなどには不可欠です。魚や肉の臭みを消す為にも多用され、煮物、炒め物、スープ等に薄切りしたものを加えたりします。地方独特の習慣では、おでんを生姜醤油(姫路市)や、生姜味噌(青森市)で食べることもあります。 日本で甘い生姜はあまりピンときませんが、ジンジャーエールや生姜飴、砂糖漬け等が市販されています。家庭では生姜紅茶(冷え対策に簡単!)、生姜茶(センガンチャ・蜂蜜や黒砂糖を入れると飲み易い)、ジャム(ルバーブ/ラバーバーと合わせると美味・ライフスタイル研究会で試してみました。お勧めです)等、様々に使われています。又、生姜の絞り汁にはタンパク質凝固作用があり、中国、香港、マカオ等では、柔らかいプリン状に固めたデザート『ショウガ牛乳プリン』が名物になっているということです。

冷え性と生姜 
生姜と聞くとすぐ『冷えに効く!』と反応する人が多いようですが、実は生のショウガでは逆効果になってしまうことが最近話題になっています。
 

生姜の主な成分はジンゲロールです。生姜を加熱・乾燥するとジンゲロールから水分子が外れてショウガオールとジンゲロン〈微量〉が発生します。 これは、生の生姜と加熱・乾燥したものとでは効能が異なることを示しています。漢方医学では古くから解っていたようで、中国の医学書には『生の生姜には解熱作用がある。乾燥生姜は中を温める』という薬能が記されているということです。

生の生姜 ジンゲロールという辛味成分が血液の中を流れて末梢血管を広げるので、一時的にはポカポカしてきますが、これは深部にある熱を末梢に送り出すことでもあるため、深部体温が下がってしまい、寒い冬場では結果的には身体を冷やしてしまう恐れがあります。つまり解熱効果は期待できますが、冷え症には要注意なのです。

加熱・乾燥した生姜   生ショウガを乾燥させたり、100℃以下でしっかり加熱または蒸すと、ジンゲロールから水分子が外れて徐々により辛味の強いショウガオール(+ジンゲロン〈微量〉)という成分に変わってきます。(加熱時間によりジンゲロールの残留値が変わります⇒4~5時間加熱した場合でジンゲロールとショウガオール(+ジンゲロン〈微量〉)が約1対1になる)加熱した生姜は身体を芯(胃腸部分)から温め、保温効果もあります。(冷え性、リューマチ、筋肉痛や夜尿症にまで効き目を発揮)

  加熱・乾燥生姜の種類
A. 乾燥ショウガ(ウルトラ生姜とも呼ばれる)     
ショウガオールが身体の深部の血行を良くして、その血液をジンゲロールによって拡張された末梢血管に運び込むので、身体全体を温めます。
B. 蒸してから乾燥させたショウガ(ウルトラ蒸し生姜)    
ジンゲロールよりショウガオールが多くなるので、乾燥しただけの生姜よりも身体全体をポカポカと温めます。 

ちなみに、100℃をはるかに超える高温で熱してしまうと、成分が全く変わってしまう為、健康効果は期待できなくなります。また、市販の乾燥粉末ショウガはフリーズドライや低温減圧乾燥製法などで作られているものが多いので、その目的(香辛料か健康効果目的か)で作られている物を選ぶ必要があります。 

次回は、冷え性に効く加熱・乾燥生姜の実際の作り方、使い方、注意事項等についてお知らせしたいと思います。



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