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第四回 生姜(ショウガ)Ⅰ 

生姜の歴史は胡椒に負けないほど古く、インドからマレーシアにかけての熱帯アジア地方が原産地です。日本へは中国の呉の国(222~280)から渡来したと言われています。昔から生薬として使われ、特に漢方薬や伝統医学には欠かせません。漢方薬の約70%に生姜が含まれていると言われています。 

西洋にもすでに紀元前2世紀には伝えられ、主に貴重な生薬として用いられてきました。イギリスでペストが流行った14世紀に生姜を食べていた人は死ななかった、という事が明らかになり、後の国王ヘンリー八世が、生姜の成分がペストの予防に良いとして国民に奨励しました。それからイギリスを始めとする欧米では、ジンジャーブレッドやジンジャークッキーが頻繁に食べられるようになりました。 日本では、寿司や冷奴、素麺、たたきなどの料理に欠かせない薬味です。すりおろす、刻んで振りかける、醤油と混ぜる、または千切り(針生姜)にする等、用途は無限です。紅生姜は、散らし寿司、焼きそば、たこ焼きなどには不可欠です。魚や肉の臭みを消す為にも多用され、煮物、炒め物、スープ等に薄切りしたものを加えたりします。地方独特の習慣では、おでんを生姜醤油(姫路市)や、生姜味噌(青森市)で食べることもあります。 日本で甘い生姜はあまりピンときませんが、ジンジャーエールや生姜飴、砂糖漬け等が市販されています。家庭では生姜紅茶(冷え対策に簡単!)、生姜茶(センガンチャ・蜂蜜や黒砂糖を入れると飲み易い)、ジャム(ルバーブ/ラバーバーと合わせると美味・ライフスタイル研究会で試してみました。お勧めです)等、様々に使われています。又、生姜の絞り汁にはタンパク質凝固作用があり、中国、香港、マカオ等では、柔らかいプリン状に固めたデザート『ショウガ牛乳プリン』が名物になっているということです。

冷え性と生姜 
生姜と聞くとすぐ『冷えに効く!』と反応する人が多いようですが、実は生のショウガでは逆効果になってしまうことが最近話題になっています。
 

生姜の主な成分はジンゲロールです。生姜を加熱・乾燥するとジンゲロールから水分子が外れてショウガオールとジンゲロン〈微量〉が発生します。 これは、生の生姜と加熱・乾燥したものとでは効能が異なることを示しています。漢方医学では古くから解っていたようで、中国の医学書には『生の生姜には解熱作用がある。乾燥生姜は中を温める』という薬能が記されているということです。

生の生姜 ジンゲロールという辛味成分が血液の中を流れて末梢血管を広げるので、一時的にはポカポカしてきますが、これは深部にある熱を末梢に送り出すことでもあるため、深部体温が下がってしまい、寒い冬場では結果的には身体を冷やしてしまう恐れがあります。つまり解熱効果は期待できますが、冷え症には要注意なのです。

加熱・乾燥した生姜   生ショウガを乾燥させたり、100℃以下でしっかり加熱または蒸すと、ジンゲロールから水分子が外れて徐々により辛味の強いショウガオール(+ジンゲロン〈微量〉)という成分に変わってきます。(加熱時間によりジンゲロールの残留値が変わります⇒4~5時間加熱した場合でジンゲロールとショウガオール(+ジンゲロン〈微量〉)が約1対1になる)加熱した生姜は身体を芯(胃腸部分)から温め、保温効果もあります。(冷え性、リューマチ、筋肉痛や夜尿症にまで効き目を発揮)

  加熱・乾燥生姜の種類
A. 乾燥ショウガ(ウルトラ生姜とも呼ばれる)     
ショウガオールが身体の深部の血行を良くして、その血液をジンゲロールによって拡張された末梢血管に運び込むので、身体全体を温めます。
B. 蒸してから乾燥させたショウガ(ウルトラ蒸し生姜)    
ジンゲロールよりショウガオールが多くなるので、乾燥しただけの生姜よりも身体全体をポカポカと温めます。 

ちなみに、100℃をはるかに超える高温で熱してしまうと、成分が全く変わってしまう為、健康効果は期待できなくなります。また、市販の乾燥粉末ショウガはフリーズドライや低温減圧乾燥製法などで作られているものが多いので、その目的(香辛料か健康効果目的か)で作られている物を選ぶ必要があります。 

次回は、冷え性に効く加熱・乾燥生姜の実際の作り方、使い方、注意事項等についてお知らせしたいと思います。



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