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アンチエイジングについて

第四回 スーパーフード(2)

先回に引き続きスーパーフードについてお伝えします。スーパーフードは活性酸素の悪影響を抑制してくれる抗酸化物質を大量に含むと言われ、アンチエイジング対策に最適です。


5. 穀物(大麦、小麦など)の若葉 (Getreidegrass)から作った青汁

穀物の若葉は、海藻や野生の薬草と同様にクロロフィル(葉緑素)が最も含まれている植物です。若葉を絞った青汁の状態が一番栄養があります。青汁の成分の70%はクロロフィルで、私たちの血液に十分の酸素を供給します。そのほかミネラル、鉄や亜鉛、カルシウムなど、日々の生活に欠かせない大事な無機質がバランスよく摂取でき、貧血予防も期待できます。ビタミン類やコラーゲンの生成を促進するビタミンCも豊富ですので、骨や皮膚を丈夫にすることができます。また身体の中でビタミンAに変わるβカロチン(βカロテン)を含んでいますので、ウイルスなどに対する免疫力を高めてくれます。そのほかの大事な栄養素として抗酸化作用のあるSOD酵素と呼ばれるものがあります。あまり聞きなれない栄養素ですが、動脈硬化や高血圧・糖尿病などの生活習慣病全般、さらに肌の新陳代謝を促し、シミやそばかすなどの肌のトラブルまで改善してくれる重要な酵素です。このように非常に優れたSOD酵素ですが、あまり話題にならないのは、通常の食事から摂取することが難しく、青汁などからしか摂取できないという理由によります。活性酸素を中性化するSOD酵素は体内でも作られますが微量であるため、青汁かサプリメントから取り入れるしかないようです。現代人に不足しがちなミネラルやビタミンを補い、若々しい身体を維持するのに大いに役立ちます。自分で家庭栽培することもできますが、リフォームハウスなどで穀物の若葉を粉末状にしたものを購入するのが一番容易な方法でしょう。ティースプーン一杯ほどを水で溶いて噛むようにして飲みます。


6. 緑色野菜(ブロッコリー、ほうれん草、チリメンキャベツなど)

緑色野菜は穀物の若葉のようにクロロフィルが豊富で、緑色が濃いほどクロロフィルの含有量が高くなります。

ブロッコリーやほうれん草はビタミン類、ミネラル類をまんべんなく含む栄養満点の野菜です。特に多く含まれるβカロチンは、皮膚や粘膜の健康を保つほか抗酸化作用も強く、細胞の老化を防ぐ効果があります。スルフォラファンという物質を含んでいて発ガン性物質や活性酸素を排出する働きがあり、ガン予防に効果的です。マグネシウムの含有量が高くストレスにも効果を表します。ビタミンCの含有量はレモンの2倍以上で、風邪などに対して抵抗力をつけます。また鉄分、ビタミンB類、カルシウムそして葉酸(Folsäure)が豊富なためベジタリアンにも最適な食品です。さらにルテイン、ゼアサンティンが含まれ、私たちの肌や目を紫外線と酸化から守ります。

最近スーパーフードとして注目され始めたチリメンキャベツ(Federkohl/Grünkohl)はケルセチンという抗酸化成分を大量に含み、ORAC値(活性酸素を除去する力を測る数値)が非常に強く、アンチエイジング対策に適しています。ビタミンA、ビタミンB類が豊富で、さらに少量でビタミンCの1日の必要摂取量をカバーします。また丈夫な骨を作るビタミンKとカルシウムを大量に含むため骨粗鬆症の予防に最適な栄養素です。


7. 赤色野菜

赤色食品の人参とかぼちゃはカロチンを、トマトはリコピン、ナスはアントシアニンと色の濃い野菜には様々な抗酸化成分が含まれていて、活性酸素を除去する力に優れています。これらの成分は眼病やガンなどの生活習慣病の予防にも効果的な栄養素として知られています。


8. アサイベリー

ブラジルのアマゾンの山奥に自生するヤシ科の実で、原住民が大昔から薬代わりに利用していた果実です。ORAC数値は果物の中で一番高いと言われていますが、それは濃い紫色の実の色素の元になっているアントシアニン(ポリフェノール)が大量に含まれているからです。アントシアニンは強い抗酸化効果があり、また目の疲れを癒し、視力を改善する効能があるとされています。そのほか心臓によく、コレストロール値を下げる働きがあり、炎症やガン予防にも期待できます。そのほか、19のアミノ酸、豊富なミネラル類、ビタミン類などのほか、必須脂肪酸、不飽和脂肪酸など豊富な栄養素が詰まっていて、まさに「奇跡の果実」と呼ばれるスーパーフードです。


9. アロニアベリー(Aronia berry/Aroniabeere

遠い異国にスーパーフードを求めなくても地元にも同じような栄養価が非常に高い果実があります。アロニアベリーはロシアでは19世紀から栽培され、昔から医薬的な効能が証明されて粉末として医薬処方されています。スイスでも特に東スイスで栽培されています。黒と赤色の果実があり、黒の方が栄養価が高いです。アントシアニンの働きで、眼精疲労の回復や血液循環促進、高血圧予防に効果があると言われています。抗酸化性が高く、老化防止やガンなどの生活習慣病の予防に期待できます。ビタミン類、ミネラル類も豊富で、体の抵抗力をつけ筋肉や骨を強くします。日本でも最近新薬開発に用いられているようです。そのまま食するには苦くて酸っぱ過ぎるため、粉末状のものをミューズリに入れるか、ジャムのように甘みを加えて食べます。最近、コープで乾燥させたアロニアベリーも出ました(スイス産、有機栽培のNaturaplan)。干しベリーは酸味も苦味もそれほどなく、一日の目安は1020粒程度です。


10.ヒッポファエ(サジー)ベリー(ドイツ語でSanddornbeere

サジーベリーはグミ科の朱色/黄色の果実で、原産地はアジアですが、ヨーロッパでも特に東欧・ドイツで生育します。ビタミンCの含有量はレモンの5倍以上で、1日わずかの量を摂取するだけで、風邪などの感染に対して免疫力をつけ、弱った体の抵抗力を高めます。ミネラル類、ビタミン類、葉酸、鉄分、不飽和脂肪酸など多くの栄養素を含んでいて、活性酸素を除去し、目や皮膚の健康維持、美白効果、生活習慣病の予防などに効果がある万能な果実です。アロニアベリーと同じく酸味が強いため、粉末にしてミューズリに混ぜたり、薄めてお茶やジュースとして飲みます。リフォームハウスのほか、コープやミグロではSanddornsirup(シロップ)が販売されています。またSanddornmarkSanddornの果肉に砂糖を加味)もあり、ジャムや蜂蜜のコーナーで販売されています。ヨーグルトやミューズリに1さじ加えると美味しいです。



次回は「スーパーフード」の最終回、和食のスーパーフードについてもお知らせする予定です。