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スイスの年金制度 改正事項  

スイスの年金制度 改正事項 2005年1月1日より有効



スイスの年金制度が2005年1月1日より、大幅に改正されます。 AHVの受給額は全体的に1.9%引き上げられ、女性の受給は64才からとなります。企業年金では、年金加入義務となる最低年収が引き下げられました。これにより、これまで企業年金に加入できなかったパートタイムなどで仕事をする多くの女性も加入できるようになります。また妻を亡くした夫も寡婦年金と同様の条件で、寡夫年金がもらえるようになります。企業年金の受給開始時に希望すれば4分の1を1時金として引き出せることがBVG/LPP法で定められました。以下に主な改正事項を挙げます。



1.老齢・遺族年金(AHV/AVS) 


① 掛け金はこれまで通り10.1% (雇用者と被雇用者が半分ずつの5.05%を負担)。
   年間最低掛け金もこれまで通りSfr.425。〔本文P13〕 

➁ 老齢年金の受給額は、1.9%引き上げられました。〔本文P23〕 

◍ 一人の場合(独身者または夫婦の片方)
   月額最低Sfr.1,075、 最高Sfr.2,150 (これまでSfr.1,055/Sfr.2,110)

◍ 夫婦の場合
   二人の合計受給額が月額最高Sfr.3,225 (これまでSfr. 3,165)
  (一人あたりの月額最高額Sfr. 2,150の150%まで) 

③ 女性の満期老齢年金受給年齢が64才に。
(62才より受給可能。ただし、1年で3.4%、2年で6.8%の減給)



2.障害者保険/障害者年金(IV/AI)

障害者年金、子供年金の受給額もそれぞれ1.9%増額されています。



3.失業保険

  すでに2004年1月1日より、掛け金率は年収Sfr.106,800までに対して2%
  (雇用者と半分ずつ支払うので被雇用者の負担分は1%「それまで1.25%」 )〔本文P18〕、
  それを超える額に対しては、課されなくなっています。(それまで0.5%)



4.企業年金 

① 女性の企業年金受給年齢がAHV/AVSの年齢に合わせて、64歳になります。
 

② 被雇用者として、企業年金に加入する義務のあるの年収額はSfr.19,350 (これまでSfr.25,320) に引き下げられました。〔本文P46〕 

③ もらえる年金が少なくなります。
 年金は年金算定率(Rentenumwandlungssatz/ le taux conversion de rente)〔本文   P52〕により給付額が計算されますが、この算定率がこれまでの7.2%から10年後には6.8%にな るように徐々に下がっていきます。2005年に65才で年金生活を始める男性で7.15%となってい ます。

④ 企業年金では、年齢層によって掛金率が変わり、年齢が高くなるほど掛金率が上がります
 (最高で保険対象給与の18%)。これまで男性と女性ではこの年齢層がずれていましたが、
 2005年1月1日より、この年齢層が同じになります。〔本文P55〕 

⑤ 寡婦年金と同様に寡夫年金がもらえるようになりました。

 

*寡婦(寡夫)年金では、パートナーが被保険者の亡くなる直前の最低5年間一緒に生活をした実績があれば、同性、異性に関わらず、夫婦でなくとも、寡婦(寡夫)保険のように、パートナー保険がおりることになりました。 ⑥ 年金資金につく最低国定年利子は2004年1月1日より2.25%になっていますが、2.5%に上がることが予定されています。〔本文P44〕

⑦ 年金受給開始時に、希望すればそれまで蓄えた年金の義務で保証されている部分に対して4分の1を一時に受給し、残りの額を年金資金とすることができるようになりました。 企業年金によっては、それ以上あるいは全額一時金とできるところもあります。



3.第三の柱

 

① 2005年度の3a口座へ払い込める額は 〔本文P77〕 

◍ 企業年金に加入している被雇用者と任意加入している雇用者および自営業者:
   個人の収入に関係なく、一人最高Sfr. 6,192まで
 
◍ 企業年金に加入していない被雇用者と自営業者: 

   最高額Sfr.30,960(但し、年収の最高でも20%まで)