これまで4回にわたってアンチエイジングに役立つ運動を紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。一人で気楽にできる運動で、しかも続けてすれば、かなりの効果が期待できるものばかりです。今回は運動の最終回として「踏み台昇降」と、運動全体のまとめについてお知らせします。
10.踏み台昇降
この運動は器具を使うので最後にご紹介しますが、簡単ながら優れものなので是非参考にして下さい。踏み台は、ジム等にあるステップボードがなくても、家庭にある普通の踏み台や階段で充分に始められます。天気の悪い日でも、テレビを見たり、音楽を聴いたりしながらも出来るので、運動にわざわざ時間を割きたくない方々にも理想的です。
踏み台を昇る時(前進)と降りる時(後退)は違う筋肉が使われるので、特に下肢の主要な大筋群が鍛えられ、前記5.の『後ろ向き歩行』の効果、又、昇降の際に片足立ちの局面があるため、前記7.の『フラミンゴ』効果も期待できます。一定時間繰り返すことで筋持久力の向上にも繋がります。腕を振る時に肩甲骨周りの筋肉を適度に刺激し、肩こりを防止、解消します。
踏み台昇降の方法
- 背筋を伸ばして、ステップボード、踏み台などの段差の前に立つ
- 右足→左足の順序で一段だけ登る(左足から始めても可)
- 右足→左足の順序でゆっくり降りる
- 腕をしっかりと振りながら10分間続ける
- 1分間のインターバル(休憩)⇒ ここまでで1セット
- 残り2セットを行う (計3セット)
上記のように単純な順序でする他にも、右左右左の直後に左右左右と順序を替えて、それを交互に繰り返す方法もあります。こちらの方が集中力を要し、ボケ防止にも一役買います。有酸素運動ですので、20分~30分続けてトレーニングをすると効果を感じやすくなります。
踏み台昇降をする際の注意とコツ
- 滑らないよう、充分注意する
- 脚をしっかりと上げ、つまずいたり踏み外さないように(幅広の踏み台を利用!)昇降する
- 膝から上げることを意識する
- 膝よりも低い位置の段差を利用する(初めは低い台から試してみる)
- リズミカルに行う
- 余裕があれば、1セットの時間を少しずつ伸ばす
普通の階段は18~20㎝の高さですから、この高さでいつまでも難なく昇降できる様に練習を続ければ、高齢になってもエレベーターの無い駅や家屋、戸外の階段など、どこへでも自分の足で移動出来るのです。
故福岡大学名誉教授の田中宏暁氏(ジョギングブームの火付け役の一人)は、「踏み台昇降運動は老若男女あらゆる方にお勧めですが、膝や腰の悪い方(手すりにつかまって痛いところをカバーすればできる)や、太っている方には是非始めて頂きたい」、と常々仰っていました。10cm位の高さの踏み台なら中程度の要介護者にも出来るそうで、回復に応じて台を高くしていく療法もあるということです。
≪アンチエイジングに役立つ運動≫のまとめ
運動の種類は下記の4つに分けられます。
1.有酸素運動(脂肪を燃焼する、コンディションを保つ)ウォーキング、踏み台昇降など
2.レジスタンス運動(筋肉トレーニング)スクワット、ハイハイ運動、腕立て伏せなど
3.ストレッチ運動(筋繊維の緩和)ラジオ体操、かかと落し、乙女エクササイズなど
4.バランス運動(体の姿勢修正を行う反射神経能力)ダイナミック・フラミンゴ、直線歩きなど
- これまで紹介してきたものやそれ以外のものでも、それぞれをバランスよく運動し、継続する
- 運動の種類は膨大なので、インターネットなどで検索して、自分に合うものを探すのも一案(ひとつの運動でも上記1.~4.の効果が同時複数期待できるものもある)
- ストレッチ運動は、特に他の運動の前後にすれば理想的(筋肉をほぐし、血流を促す、怪我予防、リラックス効果、疲れにくい疲労回復の早い身体をつくる)
- バランス運動は忘れがちなので、意識して行うか、習慣化する(関節にかかる負担が減り、制御能力が向上)
- 楽をしようと思わない⇒ 階段を使う、1km範囲は歩く、何かをするとき(靴、靴下を履く、バスや電車を待っている時など)すぐ座らない。これらを実行するのみ(特に運動はしない人)でも、バランスやコンディションを、ある程度保つことができる
- 要は意識して小まめに動くこと、ちょっとした空き時間を利用して体の部分を常に動かすことで、怠慢にならない
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次回は「アンチエイジングとダイエット」について考えてみたいと思います。